これは好き？これは楽しい？自分を知るほど愛を引き寄せる
これは好き？これはどう？
毎日の中で心に問いかけるうちに
自分が思うよりずっと
自分が大切な人だって気づいたから
もう重い愛で目隠しをするのをやめた
軽やかに爽やかに大切にしあう愛
その方が自分らしくてとても好き
星の王子さまからあなたへ
僕の星のたった一輪のバラの花は
とてもきれいで
ずっと見ていたくなるような花だった
でもとてもワガママで
僕を困らせたり悲しませたりした
それが嫌で旅に出たけど
本当はもっと別のやり方で
なんとかできたら良かったって
ときどきそう思うんだ
そんな僕の物語を
あなたはどこかで読んだかな
それとも遠くの小さな星で
僕と会ったことがある？
ううん
あなたと僕が会ったのは
あなたの心の中でだね
こうして心の中にある
僕の小さな星で
こんなふうに話をしたね
また話ができるのはきっと
あなたが新しい自分になれるから
でも疲れたり辛くなったときは
いつでもベッドやイスでくつろいで
心をきちんと休ませてあげてね
ここにはあなたのためのベッドがあって
あなたが夕日をながめるためのイスがある
それから僕もいてバラの花もいる
あなたの心が愛であふれるように
それじゃ今回の話は……
やっぱりバラの話がいいかな
どうしてバラがあんなに
僕にワガママを言ったのか
その話を聞くのは大変だった
なんていったってあのバラは
とても強がりで
それからとても傷つきやすい心を
持っていたんだからね……
僕とバラの花が一緒に過ごしていたとき
いろんなワガママをきいたよ
風よけをつくってあげたり
虫をとりのぞいてあげたり
雨が降る日は傘をさして
一日中そばにいた
それで喜んでくれるなら
僕もとても良かったんだけど
なんだか上手くできなかったみたいで
バラはいつも不満そうだった
でも本当は不満じゃなくて
ただ僕にそばにいてほしくて
そうしてたんだってこと
今ならわかるよ
でもあのときは
ぜんぜんわからなくて
それで僕はバラを傷つけたし
バラも僕を傷つけた
二人は上手くいかなかったんだ
でも……でもね……
僕が旅に出ていたあいだ
バラの花はひとりきりで
考え事をしていたんだ
どうしたらもっと
上手くやれたかってこと
それからなんでこんなに
相手を責めてしまうのかってこと
バラは自分がとても弱くて
簡単に壊れてしまうんじゃないかって
自分のことをそう思ってたんだ
でもある風の強い夜のこと
ずっとずっと一晩中
強い風の中で耐えていて
それでやっと朝日がのぼって
風がやわらいだときに
こう思ったんだ
「本当はそんなに弱くないんですのね
きっとすぐ風にとばされて
ダメになると思っていたのに」
その日からバラは少しずつ
雨や風がやってきても
自分が決して弱くないってことを
見つけようとしてきたんだ
それは一筋縄ではいかなかったけど
バラは案外楽しかったみたいだ
新しい自分を見つけるのが好きで
どんどん自分を好きになるのが楽しくて
そのうちにはやく僕に会って
新しい自分になったことを
感じてほしいと願うようになったんだ
バラの花は強かったんだよ
でもそれはトゲで自分を
守ってるからじゃなくて
毎日の些細なことの中に
自分の良いところを見つけるのが
すごく得意だったってこと
僕が旅から帰ったとき
バラの花はやっぱり
あまり素直じゃなくて
でもすぐにそれは照れ隠しで
本当は僕に会えたことが嬉しくて
それを素直に顔に出すのが
なんだか恥ずかしかったんだって
あとで教えてくれたよ
バラの花は
自分のことをいろいろ
教えてくれるようになった
以前はワガママを言うことが多くて
自分の気持ちについて
教えてくれることは
めったになかったんだけど
キラキラと瞳を輝かせて
いろんなことを僕に
教えてくれるようになった
蝶の羽の模様がきれいだったこと
カエルの声が聞こえたこと
雨が降ったあとの日は
なんだか心が落ち着くことも
いろんなことを話すから
僕も楽しくなって
いろんなものをバラの花に
見せたいと思うようになったんだ
それから初めて
二人で夕日を見た日には
なんだか涙が出てきたよ
こんな日が過ごせるなんて
思ってなかったから
僕らは会話をしているようで
本当のことは
なんにも話せてなかったみたいだ
それはきっと自分のことをよく知らなくて
どう話せばいいかわからなかったり
相手の気分を気にしすぎて
自分の心を置き去りにしてたり
とにかくいろんなことが
からまっていたんだね
でも今は……
僕らは友達みたいに
いろんなことを話せるようになっていた
ときどき僕が一人で出かけても
バラの花はもうセキをするフリで
僕を責めることはしなくなった
バラの花も
一人で過ごす時間や
蝶や雨粒と過ごす時間も
楽しんでいるみたいだった
きっと僕らに必要だったのは
離れても大丈夫って
信じることだったんだ
僕の話はこれでおしまい
これからはあなたの物語だね
あなたはどんな物語を
心の中に書いていくんだろう？
まわりの意見や気分よりも
大切な何かを自分の中に見つけるたびに
あなたはもっと素敵になるよ
まだ知らない素敵な自分を
あなたはどんなふうに見つけるんだろう？
それから誰とつながるんだろう？
楽しみだね
あなたが自分の物語を
書き進めていけるように
心の中に魔法のペンをつくっておこう
それはあなたが迷ったときや
自分でできないって考えたときに
あなたの心に
新しい物語を書いてくれるよ
それはあなたの心を軽くして
踊るみたいに歌うみたいに
生きることができるようになるんだ
そんなあなたの姿を見た誰かが
あなたともっと仲良くなりたいって
きっと心が動くはずだよ
そんな出会いがたくさん待ってる
新しい出会いかもしれないし
今ある関係の新しいところが
見えてくるのかもしれないし
きっといろんなことが起こるね
あなたの心が歌って踊って
魅力をふりまいていくから
さあ魔法のペンをつくろう
まずは手のひらに
好きな大きさで
好きな形のペンを思い描いて
どんなインクの色にする？
飾りつけはどうしよう？
あなたの好きなペンができたら
名前をつけて呼んであげよう
なんとなく浮かんだ言葉や
インクの色やペンの見た目
なんでもいいんだ
あなたが呼びたい名前で
魔法のペンを呼んであげて
何回か呼ぶうちに
だんだんと魔法のペンが
あなたの手になじんでくるはずだよ
いつでも好きなだけ名前を呼んで
すると物語がどんどん生まれるから
困ったときや嫌になったときも
魔法のペンの名前を呼んで
きっと何か良い方法が
思い浮かぶはずだから
いつでもどんなときでも
魔法のペンはあなたの味方だよ
もちろん僕もね
心の中であなたの物語が
どんなふうに進んでいくのか
楽しみながら読んでるよ
どんな人と出会って
どんなふうに仲良くなるんだろう
きっとそれは軽やかで
信じる心が響き合うような
愛を育んでいくんだろうな
そのときあなたはきっと
好きな人といるときも
友達や仲間といるときも
それぞれ楽しんでいるんだろうな
だってあなたは
人生を楽しむのが得意なんだから
僕は知ってるよ
あなたが辛い日々を
どうやって生き抜いてきたのか
楽しいことを見つけて
心を動かして
頑張って生き抜いてきたんだよね
そんなあなただから
誰かを強く惹きつけるような
魅力を持っているんだよ
だから愛されるために
頑張りすぎなくて大丈夫
強い魅力を持ってるから
頑張りすぎたら
それにこたえる相手が疲れちゃう
それよりも楽しんで
あなたが自分の人生を楽しんでいれば
一緒に生きてくれる人たちが
あなたと喜びあってくれるよ
僕はそれを知ってるんだ
きっとあなたがその物語を
心のどこかに書いていく
そんな気がしてるんだ
あなたの心の中で僕はこれからも
あなたのことを見ているよ
嫌なことがあったら
遠慮しないでここにきて
あなたのためのベッドもあるし
眠れない日には二人で寝転んで
いろんな話をしよう
あなたの話を聞かせて
つまらないことでも
楽しかったことでも
なんでもいいから
僕はあなたが話すのを見るのが
とても好きなんだ
強くなっても弱いときでも
愛されて大丈夫だから
安心して自分を生きてね
僕が見守ってることも忘れないで
あなたが愛されて幸せを感じるときを
僕もここから何度も何度も味わうよ
あなたの物語がそんなふうに
何度も愛に出会うように
書き進められていくのを
楽しみ読んでいくね