未来からの手紙08
もしもあなたが未来の誰かから
手紙を受け取ることになったら
どんな気持ちで
それを受け取るのでしょう
あなたが生きる今よりも
ずっと遠くの未来から
こうしてあなたに手紙を届けるのは
なんだか不思議な気持ちになる
けれど私が未来にいて
今のあなたのことを知って
どうしても手紙を
届けたいと思ったのは本当だから
どうか少しだけ心を開いて
ゆったりした気分で読んで欲しい
あなたが辛い目にあっているのではと
とても心配していることを
文字だけでは伝えられないけれど
あなたがそれを
感じ取ってくれることを信じています
まずあなたに伝えたいことは
人のことを考えて接する優しさは
あなたの素敵なところだということ
あなたが気づかって
まわりのためにたくさん動いたり
ときには誰かの分まで
頑張ったりするのは
あなたが他の人のことをよく見て
そしてよく気がつくから
あなたのその心づかいは
優しさと勇気でできている
とても素敵なところだから
どうか疲れたときに自分を責めないで
あなたが疲れているのは
あなたがダメだからではなくて
ただ頑張りすぎでいるからです
でもあなたのその頑張りのおかげで
ひとりぼっちにならずに済んだ人や
助けてもらえて心を救われた人も
たくさんいることにも
あなたは気づいているでしょうか
きっと忙しすぎて
そのことまで気付く余裕が
なかったのではないでしょうか
気付かなかったとしても
あなたの優しさや勇気に
救われた人は確かにいるのです
だから自分はダメだと思わないで
気づかいができる自分のことを
大切に思ってあげてほしいと
心から願っています
それから頑張りすぎて
我慢が多くなって
悲しくなってしまったときには
愚痴や弱音を言うことが
実は関係を深めることもあるのだと
思い出してほしいのです
普段からたくさん頑張っていて
まわりのことをよく気づかっている
そんなあなただからこそ
「本当はこんなことがしたかった」
「ときどきは贅沢したくなる」
そんなふうに我慢していた気持ちを
話すだけでも
強く見えるあなたが
実は同じ気持ちを
抱えているのだと知った人たちが
あなたをもっと大切にしたいと思って
弱音や愚痴を受け止めてくれるのです
なぜこんなことを伝えようと
思ったのかというと
あなたが強くなろうと
張り詰めているような気がしたから
本当は弱いところもあるのに
それを受け止めてくれる人がいないからと
強くなるしかなかったあなたを
どうにかして幸せにしたいのです
こんな遠くの未来からでは
あなたの手を握ることも
涙をぬぐうこともできないけれど
心からの祈りを届けさせて
あなたが弱いところも見せて
あたたかく受け入れられる喜びを
どんどん感じられますように
あなたが頑張っていることに気づいて
あなたの負担をへらすように
手伝う人がいてくれますように
もう頑張りすぎなくても
愛されていいのだと気づいて
ただ優しさを受け入れてくれますように
もしあなたが誰にも
弱音や愚痴を話せないと思ったときには
本当は受け止めて欲しいと思う相手を
一人だけ思い浮かべてみて
そしてその人の良いところを
一つ思い浮かべたら
もしその人が今のあなたの気持ちを知ったら
どんなふうに受け止めて欲しいかを
自由に思い浮かべてみて
ゆっくりで大丈夫
どんな想像をしても大丈夫
誰かに受け止めて欲しい気持ちを
受け止めてもらえたときに感じるのは
どんな気持ちなのかを
あなたが知ることが大切だから
あなたがいろんな気持ちを感じたあと
思い浮かべたその人のために
その人が幸せを感じる姿を想像しながら
その人のために祈ってあげて
たったそれだけでも
あなたの気持ちはほぐれていって
どんどん素直になっていく
頑張るあなたも
頑張れないあなたも
どちらもあなただから
助けてもらってもいいし
助けてあげてもいいのです
ただあなたが一人きりにならないように
弱いところも知ってもらって
受け入れてもらいながら
一緒にいられる人たちと過ごす幸せを
たくさん感じられるように
遠い未来から心を込めて祈っています