新しい自分を見つけるたびに引き寄せる

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いろんなことがあったけど、もしもそれが起こらなかったらどんなふうに生きてただろう?
本当はどんな人になれたんだろう?

良いところも悪いところも、どちらでもないところも、いろいろあるけどどれも大切。ぜんぶ合わせて大切な自分だから。

でも忘れたいことは忘れてもいいし、思い出したくないことは思い出さなくていい。
そう決めたことも合わせて、大切な自分だから。

星の王子さまからあなたへ

何か怖いことが起こるかもって
ずっと心配してたバラの花を知ってる?
それは僕の大切なバラの花で
僕と一緒にいるのが好きで
見捨てられるのが怖くて
本当はそれをずっと心配してたのに
上手く言えなかった
そんな僕のバラの花を
あなたは知ってるかな

バラの花は僕の小さな星にいて
それは遠くの星なんだけど
でもどこかの本にも書いてあって
それからあなたの心の中にも
僕の小さな星はあるんだ

そこには物語と同じように
バラの花や小さな火山
それからよく眠れるベッドに
切ない気持ちのときに
夕日を見るための
小さなイスがあるんだ

もちろんここは
あなたの心の中だから
あなたが安心して眠るためのベッドと
あなたが座りたいだけ
座っていられるイスもあるよ
一緒に夕日をながめたりして
何も言えないときの気持ちを
一緒に感じることもできるんだ

あなたとこうして話ができて
本当に良かったと僕は思うんだ
だってここからあなたを見てたけど
なんだかずっとずっと
辛い気持ちを抱えてるみたいだったから

話をしよう
あなたの話も聞きたいけど
でも心がボロボロになったときには
何か優しい物語を聞かせて
ゆっくり休ませてあげたいな

何がいいかな
こういうときはやっぱり
僕にとっていちばん大切な
バラの話がいいかな……

そうだね
僕が旅に出ているあいだ
ひとりぼっちでここにいた
バラのことを話そう
それは辛い話じゃなくて
大切なものを見つけるための
本当に大事な物語だった

バラの花はひとりきりになって
風や雨を
葉っぱや花びらで
たくさん受け止めることになった
バラはあんまり話さなくて
ときどきやってくる蝶たちも
なんだか気まずくなって
すぐに飛び立っていった

それでもバラの花は
あんまり気にしなかった
僕のことをずっと待ってたから

一緒にいるときは
あんなにワガママを言って
僕のことが嫌いなんじゃないかって
僕は悲しい気持ちになったのに

旅に出た僕のことを
バラの花はずっと
信じて待っててくれたんだ

蝶がやってきても
風がなでても
雨が歌っても
バラの花が
あんまり気にしなかったのは
そういうわけだったんだ

でも
やっぱり辛くなって
ひとりで泣くこともあったんだ
そんなときは
僕が風よけをつけてあげたことや
水をあげたときの声や表情を
よく思い出すようにしてたんだって

どうしてそんなふうにしてまで
僕のことを待ってたの?って
旅から帰ってしばらくたった日に
聞いたことがあるんだ
そうしたらバラは……
あの花は……

ごめんね
うまく話せなくて
思い出すと涙が出るんだ
本当に上手く言えなくて
でも僕にとっては
だいじなことなんだ

言葉にできなくても
誰かに伝えられなくても
わかってもらえなくても
僕の中にちゃんとあって
それでいちばん大事なことなんだ

僕はそれを思い出すと
幸せな気持ちになるんだよ

なんだかうまく言えなくてごめんね
でも大切なのはやっぱり
あなたが感じることは
ちゃんとここに
確かにあるってことなんだ

僕は知ってる
あなたの心にずっといたから
言えなかったいろんなことを
僕はちゃんと知ってるよ

だからもうあなたが自分を
傷つけなくていいように
辛かったいろんなことを
もう忘れてもいいように
僕があなたに魔法をかけるね

小さな宝石箱に
魔法をかけて
特別な箱をつくったんだ
ここにはあなたが
もう見たくないものや
感じたくないもの
思い出したくないことを
安全に入れておけるんだ

それでもし
少し取り出して
懐かしみたいって思ったときには
懐かしい思い出として
ながめることができるよ

もうあなたを
傷つけるようなことはなくて
かわりにあなたが
どれだけ頑張って生きてきたかを
教えてくれる宝石になるよ

どんなことも
あなたが感じたものなら
それはあなたをつくる大切なもの
だけど自分を傷つけるような形で
おいておかなくてもいいんだってことを
僕はあなたに知って欲しかったんだ

この宝石箱には鍵があるよ
鍵はあなたが作って
好きなときに鍵を開けたり
鍵をかけて忘れておいたり
とにかくあなたが
やりたいようにできるんだ

それじゃ一緒に
鍵をつくっていこう

まずは手のひらをイメージして
どれくらいの鍵がいいかな
大きいのと小さいのだったら
どっちが好きかな
あなたの好きな大きさの
好きな形の鍵を
手のひらに乗せてみて

そう……ゆっくりでいいんだ
好きな大きさと形がイメージできたら
そこに色をつけてみよう
どんな色が好き?
逆に絶対イヤな色はある?
できるだけ好きな色をつけてあげよう

色が決まったら
こんどは飾りをつけてみる?
それとも何もつけない方が好き?
あなたの好きな鍵をつくろう

できあがった鍵を
手のひらで軽く握ってみて
最後に名前をつけるよ

なんとなく思い浮かんだ言葉か
鍵の色や形からでもいいし
好きな言葉を名前にしてもいいよね
あなたの好きな名前で
鍵を呼んであげて

何度が名前を呼んでみたら
宝石箱の鍵はできあがり

これからもしも
思い出すのが辛い何かが
頭や心に浮かんできたら
鍵の名前を呼んで
何度も呼んでいいんだ
心が落ち着くまで好きなだけ

鍵の名前を呼んでくれたら
僕が宝石箱に一つずつ
大切にしまっていくよ
そして最後には必ず
きちんと鍵をかけるんだ

鍵をかけるところを
あなたがイメージしてくれたら
ちゃんと鍵はしまるよ

あとは僕が心の中で
この宝石箱をちゃんと大切に守ってる
だからあなたは安心して
新しい明日を生きて

もう繰り返さなくて良いことから
あなたを自由にしてあげよう
そして新しい明日を生きるために
本当の自分のことを知っていこう

もしも今日が
生まれて初めて世界を見た日なら
何にふれよう?
何が見えて何をしたい?
それはどんな気持ちを
僕たちにくれるだろう?

最初はわからなくてもいいんだ
わからないって気持ちは
新しい自分に出会えたってことだから

僕は毎日
バラの花と話すんだ
起きて挨拶をして
見つめあったり
お互いがそれぞれ
一人になって好きなことを
楽しむ時間をつくったり

一緒にいるときも
離れてるときも
僕らは新しい発見をするよ
それはまるで
最初に会ったときの
ひとめぼれの感じを
何度も思い出すみたいに
初めて見る何かを
お互いの中に探すんだ

そんなふうに過ごすから
ケンカをした次の日も
なんだかたまらなく好きになって
馬鹿みたいだねって笑ってる

あなたがこれから感じるのは
どんな気持ちだろう?
それを僕にも教えて

僕はバラの花とだけじゃなくて
あなたとも話したいんだ
あなたは大切な友達で
心の中に僕らの居場所をくれた
大切な人だから

何かあったらいつでも
心の中にいる僕に話しかけて
バラの花と話したいときは
赤いバラを思い浮かべると良いよ

眠れないときも
苦しい気持ちのときも
僕はずっとここにいて
一緒にあなたの気持ちを感じてる

たくさん頑張ったよね
これからは違う明日が待ってる
それを迎えに行くんだ

新しく見つけた何かや
あなたを嬉しい気持ちにしてくれたこと
そういうことも
たくさん僕に教えてね

明日はどんな日になるだろう?
わからなくてもいいんだ
僕にはあなたがいる
あなたが話してくれることが
僕には大事なんだから

いつかもっともっと
幸せになったときには
その話を聞かせてね
あなたが流した涙よりも
たくさん笑えるときがきたら
一緒にお祝いしよう

新しい自分と新しい人生
それからあなたの物語の一幕が
幸せな結末を迎えたことと
幸せなあなたが始める
次の物語の幕開けを
みんなで一緒にお祝いしようね

新しい何かを見つけるたびに
僕は小さくお祝いをするよ
待ちきれなくてそうしちゃうんだ
あなたもときどきは
何かお祝いみたいなことをしてみて

自分について何か
新しい発見をしたら
自分に向かって
「大好きだよ」って言うことも
お祝いみたいなことだから

新しい発見は何でもいいんだよ
好きなことはもちろん
意外にこんなのが似合うんだとか
嫌だと思ってたけど
そんなに嫌じゃなくなったかもとか
これはずっと好きだなって
気がつくのも発見だよ

とにかくできるだけ
自分についての発見を
増やしてあげることが
新しい明日の先にある
幸せな未来をくれるから

そこではもしかしたら
あなたが思ってたよりも
誰かに元気や笑顔をあげてて
知らないだけで
あなたは素敵なところが
たくさんあるんだって
誰かが教えてくれるような
そんな幸せに気付くかも

だって誰かがあなたに
「ありがとう」って微笑むんだから
その他にも
もしかしたら大笑いするくらいの
楽しいことだってあるのかも

何が待ってるかは
未来のあなたが知ってるから大丈夫
新しい自分を見つけるたびに
そしてそれを大切にするたびに
幸せな未来を
何度も何度も引き寄せていくよ

幸せになってね
今よりもっとだよ
もっと幸せになって大丈夫
自分を愛して
僕らも一緒に
あなたを大切にするから

幸せはあなたの心が
感じて見つけていくから
自分の心を信じて
人生にとっての幸せを探す旅が
物語をつくっていくよ

あなたの物語が
どんなふうになっていくのか
楽しみにしてるね
自分を知って
大切にして
大好きっていうたびに
物語のページは増えていくから

物語ができあがる日も
その途中で出会う幸せな日にも
何度もお祝いをしていこう
「愛してる」
いつかそれを
あなたが心で感じるときには
生まれてきた良かったって
僕らは一緒にお祝いするんだ